2015年秋冬はラグジュアリーなエシカルファッションに注目

社会貢献や環境保全に重きを置いた活動を『エシカル』と呼びますが、元々『エシカル』という単語は、倫理的、道徳上という意味の単語です。エシカルファッションとは、環境に優しい素材を使うことや、労働者を極端な低賃金で雇わないことなど、社会的に過度な負担のない方法で制作されたファッションのこと。ラグジュアリーブランドや海外セレブのエシカルファッションへの注目は年々高まっているといえるでしょう。

人気デザイナーも注目

2001年に自身のブランド『ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)』を始め、翌2002年にパリコレクションにデビューして以来、世界の女性からの支持の高いデザイナー、ステラ・マッカートニーはエシカルファッションのパイオニアとも言えるでしょう。彼女は、高級ブランドには珍しく革や毛皮をつかわないことでも有名で、子供の頃からベジタリアンである事も手伝ってか、素材選びや生産方法を徹底しています。例えば、オーガニックコットンを用いたり、染色時に排出される排水の有害物質の処理へも抜かりなく行っています。彼女は、『エコとファッションが必ずしも相反するものではないことを証明するのが、私の仕事』と話しています。

ファッションを楽しみながらながら社会貢献

今、『ステラマッカートニー』を筆頭に多くのメゾンが環境問題や労働問題を意識した製品づくりを行っています。例えば、『グッチ』や『イヴ・サンローラン』、『ボッテガヴェネタ』などの有名ブランドを持つケリンググループは、商品の素材となる革や毛皮、金やダイヤモンドの生産発注する業者は地域社会、環境に配慮した優良企業を選定しています。また、環境へ配慮するために使用素材やリサイクル基準にも取り決めがあります。例えば、有害物質を排出してしまうポリ塩化ビニル樹脂の使用廃止を宣言し、廃棄物や廃水の25%削減を目標とし、やリサイクル紙の使用を徹底するなど、大量生産と環境への配慮の両立を目標としています。また、アップサイクルへの取り組みを行う企業も増えています。ラグジュアリーブランドの代表格であるエルメスやフェンディを筆頭に日本国内でもこの動きは高まっています。ユニクロやユナイテッドアローズをはじめとした数々のブランドが取り組み始めています。ユナイテッドアローズは、国連機関であるITCのプロジェクト、エシカルファッション・イニシアチブと共同でアフリカのクラフトマンシップと、ユナイテッドアローズの技術を融合させた新たなレーベルを立ち上げ、社会貢献を目指しています。

私たち消費者ができること

かつて日本でも、高度経済成長期には沢山の環境問題や、倫理的な問題があり、経済を発展させるためには多少のリスクは避けられないという考えが当たり前でした。今も、世界の発展途上国では児童労働や低賃金での長時間労働や劣悪な生活環境と、問題が山積みです。しかし、誰かを犠牲にし経済を成長させるという今の環境が改善していくことを願い、行動に移す人たちが少しずつでは増えています。今、私たち消費者には多くの選択肢が与えられています。商品の素材がどの様に製品化に至ったのか、また誰がどの様に生産したのかなどバックグラウンドも考慮して、手に取るものを選んでいきたいですね。

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