2017.12.27

レポート

【長野のまちと暮らしを知る】長野でくらす-トークセッション@2017.3.12

3月12日に開催された「まちとくらしを訪ねる旅」。長野駅東口から徒歩1分のところにあるコワーキングスペース「myDesk」にて行われたトークセッションのレポートをお送りします。長野で生まれ育ち、長野で働いている人もいれば違う土地で生まれ、長野に移り住んだ人もいます。

 

ゲストに登壇したのは、大学生代表の吉澤有奈さん(信州大学教育学部3年)、太田聡美さん(信州大学繊維学部2年)、社会人代表の岩松桃子さん(アパレル店員)、松井明子さん(フリーライター)の4名です。
2時間のセッションの内容を一部ご紹介。「特別」なことはない、長野市で自分らしい生活を送っている皆さんの「実際の暮らし」を紐解いてみましょう。

長野の日常生活で新しいことに出会う方法

働いているおふたりは実際どうやって働き方を選んできましたか?

岩松 私は以前違うところでバイトをしていたのですが、あまり働く環境がよくなくて…。他の仕事を考えなきゃと思っていた矢先、学生の頃からずっと通っている大好きな洋服屋の店員さんが辞めることになったんです。「桃ちゃん働かない?」と誘われたことがきっかけで今のお店で働くことになりました。それとは別に歌の仕事も少しさせてもらっています。週末は東京に行くこともありますね。

松井 知り合いの方からお話をいただき、ライターの世界に飛び込みました。文章を書くことが好きだったのですが、それまでお仕事として文章を書いたことはなくて。今は新聞の折込の情報誌で書かせていただいているのですが、幅広いジャンルを知ることができますね。例えば中山間地域の田舎のおじいちゃんに取材したり、長野市の中心でバリバリ働いている方に取材したり。長野でこうやって楽しんで生活している方がいるんだなって知ることができるので楽しいです。

ずっといるという感覚はありますか?

岩松 あまりないです。全然マイナスな意味じゃないですよ!だけどやりたいことがあって、そのやりたいことが長野じゃ叶いにくいのかなって思っているんです。だけど、じゃあなんで長野にいるかって言ったら、いろんなコミュニティがあって、いろんな分野のスペシャリストがいて、キラキラしている人が沢山いるんですよ。善光寺周辺にはそういう人たちとても多くて、色んなことをやっている人がいるっていうだけで、自分の生活が楽しくなるなって思うんです。

長野市出身で、大学生のふたりは高校生のときの「長野」と大学生になってからの「長野」。見えるものや感じることに変化はありましたか?

太田 高校生の時は遊ぶ場所が本当に少ないなーって思っていました。特に長野駅が新しくなる前はなんにもなくて…!でも長野は都会すぎず、田舎すぎずちょうどいいなとは大学生になってから思いましたね。

吉澤 私は、高校が善光寺周辺にあるわけではなかったので、高校生の時は高校と家の行き来しかしていなかったですね。遊ぶ場所は家と学校の間にあった長野駅周辺でした。善光寺の辺りには全然行かなかったですね。特におもしろいものはなくて、本当につまらないんだろうなぁって思っていました(笑)。でも、最近出会った高校生はコワーキングスペースにパッて入って大人とディスカッションしていて、すごいなってびっくりしました!

ネットやSNSで情報収集

日常生活を普通に送っていたら楽しい人や場所に出会うってなかなかむずかしいですが、、どうしたら出会えるのでしょう?

岩松 長野市内で開催されたまち歩きのイベントに参加して出会いました。あとは、センサーがあるのかなって思ってます。自分と同じ「ああいうことがしたい」とか「こういうことに興味がある」ってセンサー!例えば街を歩いていて、オシャレな人を見つけたら「あの人オシャレだ!」って思うみたいな。

松井 私の場合は、子育てサークルがそれにあたるかな。私は千葉県出身で長野へ移住してきたのですが、同じように県外出身の方はネットやテレビでの情報収集を行って色んな子育てサークルやママとの交流会に参加しているのかなって。「あ、こないだあのサークルにいたあの人がここにもいる!」みたいな状況がよくありますね。

吉澤 FacebookとかInstagramなどのSNSからの情報ですかね。私はSNSで流れてくる情報を見ることが好きだったのですが、なかなか行動に移すことができなくて…。ある日、見かねた友達が「いい加減、一回行ってみたらいいと思うよ!」と背中を押してくれたんです(笑)。最初はドキドキしてイベントに参加していたのですが、とても楽しくて。勇気を出してよかったなって思いました。あとはチラシかな。カフェでかわいいチラシは手に取っちゃいますね。行きやすいカフェだと、善光寺のすぐ近くにある「パティオ大門」にある「PEAKs」です。観光客が行き来しているので、入りやすい雰囲気ですよ。

太田 私も友達からかな。「こんなイベントがあるよ!」って教えてもらっていくようになりましたね。最近は大きい通りにないお店が載ったマップもあるので、参考にするといいかもしれません!

トークイベントへの参加者は、県外から移住して地域おこし協力隊として活躍する人や子育てをしながらデザイナーとして活躍する人、東京在住でこれから長野に拠点を構えて二拠点居住をしようかと考えている人などなど。県内外問わず様々な働き方、生活をする人が集まりました。
後半は、ゲスト、参加者が各自疑問をぶつける時間。ざっくばらんに質問が飛び交いました。例えばこんな質問が!

私は移住をしてきたのですが、長野県外からきて同じテーマで話せる人がいないなって。単身で女性で今後の働き方で悩んでいる方があまりいないのかな…?と感じるのですが、そんな悩みを持つ人が気軽に行くことのできる場所ってありますか?

岩松 私は善光寺の近くにある「シンカイ金物店」という信州大学の学生がつくった秘密基地みたいな場所がいいかなと思います。住み開きと言って、住みながら家を色んな人に開放している場所。ただの家なのですが、そこに色んな仕事をしている人たちが集まってくるんです。「自分はこういうことをしたいんだ!」って悩みを親身になって聞いてくれるひとが多いので、休みの日にふらっと行くといいかもしれません!

移住してきた人、ずっと暮らしている人、これから戻ろうと思う人。
長野との関わり方は人それぞれあり、どれが「正解」ということではありません。
今回登壇したゲストの4名も参加者の皆さんも、迷いながら少しずつ進もうとしている方が多い印象でした。

長野市での生活を楽しむためのTIPS

自分の行動範囲を広げると長野市は意外とたのしい!

太田聡美

長野市出身 信州大学繊維学部2年

高校生の頃は全然遊ぶところがない!と思い、安くて長くいられるマックにいることが多かったのです。大学生になってから「シンカイ金物店」で開催していたフリーマーケットに顔をだしたり、善光寺門前にあるカフェに行ったりと行動範囲が広がりました。人伝いに聞いたり、歩きまわっていると意外とたくさんおもしろいお店があるんです。とにかく目につくところに入るようになってから、長野市って結構たのしい!って思うようになりました。

ちょっと頑張って自分から会話を始めることが大切

吉澤有奈

長野市出身、信州大学教育学部3年

最初の一歩踏み出すのが大変でしたが、小さなお店でご飯を食べてお支払いをする時に頑張って話しかけてみるんです。「おいしかったです!」とか些細なことでいいと思うんです。ちょっとした会話が生まれるだけで、また来てみよう!って前向きな気持ちになれました。そうやって何回も通っていくうちに、どんどんお店の人と仲良くなって「どういう勉強しているの?」とか「こんな勉強をしているならこんなイベントがあるよ」って情報収集ができるようになりました。こういう行動をコツコツ重ねていくことが大切なのかなって大学生になってから気づきました。

ずっと長野にいなきゃいけないと思わなくていい

岩松桃子

長野市出身。長野市内でアパレル店員として働きながら、休日は東京に通う。

専門学校を卒業して、一度、神戸に行き、その後長野に戻ってきたのですが、毎日の暮らしはとても楽しいです。地元だから居心地もいいですしね。ただ、長野にずっと住むかと言われたらちょっと考えてしまうんです。東京ってエネルギーのある人が長野よりも多いと思うんですよ。だから今は生活の拠点は長野に置いて、週末は東京で刺激を受けるという生活を送っています。ずっと長野にいなきゃいけないというわけではないと思っているので、これからどう行きていくか自分で選択していかなきゃいけないなって考えているところです。

新しい出会いの場にも積極的に参加することが前向きになるコツ

松井明子

千葉県出身。夫の仕事の都合により長野県に移住し、フリーライターとして活動する。

23歳で大学卒業と共に、知り合いのいない長野県に移住してきました。新卒ということもあり、就職先がなく不安でした。派遣会社に登録して事務員として勤めていましたが、25歳の時に上の子を出産したタイミングで退職し、子育てに力をいれました。ただ、知り合いのいない中での子育ては最初のうちはつらいことが多かったです。ネットでの情報収集を行い、子育てにあたって手話で子どもと会話をする「ベビーサイン講座」に通ったことから子育てサークルに入ったことが長野を好きになるきっかけになりました。同じ悩みを共有できるママと出会ってから長野での子育てもいいなと思うようになりましたね。

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