【レポート】クラフトフェアまつもと2017~働きママンの楽しみ方

「まつもとぉ~。まつもとぉ~。」

まったりした独特の駅のアナウンスに迎えられて松本のプラットフォームに降りる。肌に突き刺さる強い日差しとサラリとした空気、そして草いきれのこもる深い緑の匂い。 やったぁ!一年間でいちばん最高の季節が松本にやってきた!

こんにちは。おそらく全ての季節でそうつぶやいている東京在住のライター、働きママンです。昨年まで約3年間松本で生活をしていた経験を経て、今ではすっかり松本に心を奪われ、なにかと理由をつけて家族、いや母子だけでも松本に遊びに帰ってきております。今年で5歳になるムスメも松本での生活をよく覚えていて、こうして遊びに帰ってくることを毎回一緒に楽しんでくれているよう。

そんな松本が最もにぎわうイベント、クラフトフェアまつもとに今年も行ってきたよー!

 

泣く子も黙る!クラフトフェアまつもとについて

前日金曜日のどしゃぶりの雨がウソのよう!まさにクラフトフェアブルー(この水色はホントにそういう名称なんだって)の晴天で迎えた当日。気温は27度。あちー!不思議なもので、5月の最終週の週末って私の知る限りここ数年毎年こんな晴天なんだよな。

今回で第33回目を迎えるこのクラフトフェアまつもと。

かつては1985年に地元の工芸作家たちが集まってはじめたちいさな催しだったものが、今では実に4倍を超える熾烈な選考を潜り抜けた選りすぐりのアーティストが全国から集まり、幅広いジャンルの300を超えるブースがあがたの森公園に集結する、まさに全国でも最大規模の屋外型大型クラフトイベントへと成長しました。信州松本の民芸・工芸はもとより、全国各地の素晴らしいクラフト作品に直接触れ、青空の下で作家さんと直接コミュニケーションをとれるのがなによりの魅力です。

 

まずはとりあえず深呼吸

駅からあがたの森公園はひたすらまっすぐ徒歩約20分。

松本市内って実は徒歩でぐるりと歩けるコンパクトな街だけど、イベントに合わせて設けられた「バスDAY」を活用すれば各方面へちょこっと足を伸ばすことも可能です。我が家の4歳のムスメは、あれやこれやと道中のいろんな発見が楽しいようで、文句も言わず楽しそうに歩いてくれました。

 

会場に着いたらとりあえず深呼吸してみよう。もうね、この空気感最高。

あっちを見れば、この時期でもまだほんのり涼しげに冠雪の残る北アルプス。こっちを見れば緑あふれる美ヶ原の山々が目前まで迫ってくる。緑の色って、こーんなに種類あったっけ!?って圧倒されっぱなし。

 

いろんな素材と作品、展示と笑顔、そして会話を楽しむのが流儀

それでなくてもあがたの森公園が持つ独特の世界観、空気感は筆舌しがたいものがあるけど、クラフトフェアの時のそれはまた格別。

高部雄策 / ガラス

芝生をキャンバスに、渾身の作品を開放的にプレゼンする作家さんたちの想いも喜びもビシバシ伝わります。

 

荒良木つつじ / kokageya / その他の素材

美味しそう。植物と果物の色の組み合わせ青空の下で見るとなおさら美味しそう。

 

斉藤糸保 / jORA / 皮革

つるつるに磨き上げられた革製品。職人技が光ります。

 

三輪泰季 / 三輪木工 / 木工・漆

木目がまるで生きてるようなダイナミックな作品たち

 

西山光太 / 陶磁

実は最近陶芸を始めたママン。あぁこの方に弟子入りしたい・・・

 

講堂のなかはまるで見本市!

 

 

岡歩 / 無限会社岡モータース / 陶磁

作家さんも作品も、異彩を放つユニークさ!

 

片岡清英 / kino workshop / 木工・漆

触りたくなるのはわかるけど!

 

本出ますみ / スピナッツ/原毛と出版 / 材料・道具・情報

鮮やかな羊毛たち。 ふわふわでやわらかい素材や、太陽にキラキラと光る美しいガラス細工、つるつるに磨かれ木工作品、繊細で緻密な竹細工の数々・・・、とにかくどれも子どもにとっては宝箱みたいな空間。

 

本出ますみ/スピナッツ 原毛と出版/材料・道具・情報

鮮やかな羊毛たち

 

西井沙織 /nitoel /皮革

 

渡辺珠美/tamami watanabe 春夏秋冬の服/染織・フェルト

 

曽田伸子/sun’oko glass/ガラス

 

辰巳康雄/竹かご屋/その他の素材

ふわふわでやわらかい素材や、太陽にキラキラと光る美しいガラス細工、つるつるに磨かれ木工作品、繊細で緻密な竹細工の数々・・・、とにかくどれも子どもにとっては宝箱みたいな空間。

 

森和良 / 森の種陶工所 / 陶磁

私が作家さんと楽しく会話させてもらう脇で、我慢できずそ~っと商品に手を伸ばすムスメに「サワルナッ!」とすかさずドスの効いた脅しを投げつけながらも、子どもが手に取りやすいよう、楽しんでくれるようにと演出してくれるブースの多さにも感謝でいっぱい。

 

佐野元春 / トハル / 陶磁

笑顔の素敵なおふたり。佐野元春さん、お名前の印象とはうらはらに(?)愛情タップリのやわらかな作品です。

 

毎年これに乗ると子どもの成長を実感します。

 

鳥本雄介 / とりもと硝子店

全体的にファミリーや子連れも多く、そういう雰囲気や演出がまた会場にあたたかな笑顔をもたらしてくれるのかも。今年もムスメと一緒にこれてよかった。一緒に楽しんでくれてよかった。

 

藤田治 / 藤田九衛門商店

 

藤田治 / 藤田九衛門商店

 

藤田治 / 藤田九衛門商店

信州名物の花豆を使ったブルーベリー餡。鯛焼きじゃなくて信州ならではの鯉焼きね。

 

暑い、暑い、暑い!体感温度は30℃超えてるな・・・!

 

大きな公園、ぐるぐる何周しても新しい発見があるから不思議。

 

工芸の五月。さてちょっくら街あるき

松本の5月はクラフトフェア前後も街ごと賑わいを見せています。

 

美術館や民芸館、市内のアトリエやショップ、ギャラリーで様々な企画展や参加型のワークショップが開催されたり。クラフトフェア当日には、市内の商店街やストリートでも様々な展示やブース販売が行われています。

 

松本パルコ付近の中心市街地では商店による出展ブースが並ぶ。工芸の町ならでは。

 

アルプちゃん

子どもたちに大人気のアルプちゃん。炎天下なのにお疲れさまです・・・

 

アルクマくんのお出迎え

中町通りの蔵シック館ではアルクマくんがお出迎え。

 

中町どおりの名店と言えばこちら

 

街のあちこちで見かける水路も透き通って涼しげ

 

見事な手仕事からうまれたこの美しい曲線美。

 

 

蔵シック館の「信州の手仕事展」では、職人さんの力強い見事な手さばきにうっとり。

 

 

ムスメがひとしきり座って気に入ったのはこちらのロッキングチェア。

 

紙の帽子 / setuse

四柱神社そばのスペースで、ムスメがおねだりしてきた帽子は、大阪出身穂高在住の作家さん、setuseさんによるもの。この場所はまつもと古市で賑わう場所でもありますね!

 

こばらがすいたらごはんカフェ

中町通りをグイっと足を伸ばすと、大掛かりな工事現場が見えてきます。ここはかつて市内有数の大型ショッピング施設だったカタクラモールがあった場所。地元の方々にとってはとっても思い入れの深い場所だったここに、今年秋イオンモールがオープン予定です。 街が変わっていくのは、嬉しいけど、ちょっと寂しい。

でもそんな変化が新たな出会いや楽しみを運んできてくれるのならちょっと楽しみだと思わない?

 

ごはんカフェ『和み』

そんなことをまさに感じさせてくれるのがこちら。ありそうでなかった、働きママンにとって命綱ともいえる場所。店内に子供が遊べるスペースがあって、食材にこだわり子どもにやさしい、おなかにうれしいほっこりカフェの『和み』さん。このお店ではちいさな子どもがちょこちょこ歩き回ったり話しかけてきたりするのもご愛嬌。実際に店主の看板息子や看板娘がおもてなししてくれることも。あ、看板娘はまだ生後6ヶ月だけどね!みんながお互いを理解して支えあう、そんな相互扶助的なところがまたいいんです。

 

モリモリのごはんプレート

オススメは、十六穀米とお惣菜、松本名物の山賊焼きがモリモリのごはんプレート。奥さま手作りの可愛らしいスイーツも自慢です。なおこちらのお店、6/4から1ヶ月間のリニューアルを経て、7/4にリニューアルオープン予定です。街の変化に合わせて自分達も変わろうとする姿。一方で変わらぬ笑顔で「おかえりなさい!」とお客さんを迎えてくれる姿。いつも笑顔のまぶしい家族です。

 

縄手通り、女鳥羽川沿いでちょっとお土産でも

 

CHEZ MOMO

縄手通りをぶらりと歩き、四柱神社でお参りをしたあとは、こちらのお店へ。 女鳥羽川沿いにたたずむ深緑のフレンチシックな外観は、松本市波田出身の蒔田氏が営むコンフィチュールのお店『CHEZ MOMO』。昨年8月にリニューアルしたお店は、ライブキッチンさながら、蒔田氏が魔法のように商品を紡いでいく様子が見られるように。

 

お店の自慢はもちろん、季節の果実やお酒、意外な組み合わせからうまれた甘~い恵みがたっぷり、とろりとちいさなビンに詰め込まれたコンフィチュール(ジャム)ではあるが、店内で見逃せないのは、蒔田氏の手作りスイーツや色とりどりの可愛らしい雑貨や輸入菓子。

 

まさに宝石箱のようなこの空間は、店主の蒔田氏がかつて修行先のフランスで恋に落ちた街中の砂糖菓子店Confiserie(コンフィズリー)をイメージしてるんだって。店名の『CHEZ MOMO』は、フランス語で『モモの家』。モモという架空の女の子が好きなものをたくさん詰め込んだ夢のおうちだと思えば、全てが納得できると思わない?

 

全国に広がるファンにも届けられるよう、最近では通販も始めたCHEZ MOMOさん。でも蒔田氏のこだわりはそこじゃない。『本当は、実際にお店まで足を運んでもらって、商品を手に取って試食をしてもらって、会話や空気感、街の雰囲気ごと楽しんでもらいたい』。それ、ほんとその通りだと思う。まさに蒔田氏のクラフトマンシップ。

ちなみに蒔田氏は神童なのである。お母さまは縫い物・糸紬の作家さま、お父さまは木工・椅子職人で有名な蒔田卓坪氏。そしておふたりとも、なにを隠そうクラフトフェアの発起人でもあるのだ。血は争えないとはこのこと。

 

シャイで独特のニュアンスを持つ蒔田氏。でも面白いからぜひ話しかけてみて。ちなみにこの方この前まで坊主頭だったんだけどな?

 

見逃せないのはやっぱり温泉

『枇杷の湯』

松本にはいくつかお気に入りの温泉があって、「絶景を見て癒されたい」「ひとりで物思いにふけりたい」「湯上りに美味しいものが食べたい」などその時の気分で選べるマイ温泉を持っとくと何かと便利。

 

こんな風に晴天で暑い日に行きたくなるのは浅間温泉の『枇杷の湯』。離れの野天風呂が最高に気持ちいい。

 

湯上りには信州名物のおやきと、いろとりどりのジェラートがオススメ。

 

クラフトフェアまつもと、夕暮れ時~夜の楽しみ方

あがたの森

市内をグルリと歩いてもういちどあがたの森へ。 午後3時も過ぎると、朝の興奮めいた賑わいも少し落ち着きを見せ、出展者も来場者もここちよい疲れに包まれる。

 

野外音楽会「五月亭」

そんなロハスでメロウな時間を演出してくれるのが、クラフトフェアまつもと的野外音楽会「五月亭」。芝生の上で美味しいドリンクを片手に心地よい音楽に身をゆだねてみるのも一興。

 

遠慮なく最前列で身をゆだねる我が家のムスメ。あぁ早く一緒に酒が飲めるようになりたい・・・

 

さらに日が暮れると・・・

工芸の五月の催しで盛り上がっていた松本市内もいよいよ第二部へ。 松本パルコ近辺の路地で「五月の宵祭」が始まりますよ。松本ってお祭り好きだよね。春も夏も秋も冬も、このエリアはなにかにつけて歩行者天国になり露天が並ぶ・・・でもどの季節も気持ちいいんだから、自然と外で飲みたくなるのもわかるよね。

 

「五月の宵祭」

新橋やアメ横と違ってだいぶオシャンティ。

 

ますます目が離せないこれからの松本

いかがでしたか?

クラフトフェアだけでなく、松本の街が、人が、空気が、全てが一体になって作り出すこの一体感、少しでも伝わったでしょうか?

これから、松本は少しずつ変わります。 国内外からの観光客も日に日に増えていくのが目に見て分かるし、大きな商業施設ができるというのもかなりセンセーショナルな変化を生むことでしょう。

 

また10月に開催される第一回松本マラソンでは、初めて松本に来る人もたくさんいるだろうし、そんないろんな変化が新しい価値とカルチャーを生んでいくのだと信じています。

 

季節ごとの美しい変化を見逃さないようにまた遊びに帰ってくるぞー!

 

関秀一 / 株式会社高原社

最後に。何度も何度も。本当に何度もおじゃました蚕のおじさん。

「おぅ!また来いよ!元気でな!」

 

Photo/Text: Megumi Inaba