在宅ワーカー養成プログラムの第3期生として、約4か月の講座をまもなく終えようとしています。 半年前までは、クラウドソーシングという言葉さえ知らなかった私が、なぜ在宅ワーカーを目指すようになったのか。改めて振り返ってみました。
職場の健康診断で、突然見つかった病気
毎年春に行われる職場の健康診断を、いつも何気なく受けていました。
ところが、ある年の結果に要再検査とあり、専門の病院を受診したところ、乳がんとの診断。全く自覚症状がなかったのに、突然病気であることが分かり「なぜ私が病気に…」という思いで頭がいっぱいになりました。
担当医からは、「手術が必要ですが、治療のために仕事を辞める必要はありません。手術入院後、自宅療養を経てひと月後には、多くの方が職場復帰されています。」との説明がありました。
自分も辛いけれど、家族に心配をかけることも辛い。ならば、さっさと手術して、また仕事に戻ろう、と決めました。 幸い、職場の理解もあり、ひと月の休職後、無事に復職することができました。
東京から長野への転居
ようやく元の生活に戻りつつあった翌年の春、家庭の都合で東京都から長野県へ転居することになりました。
せっかく復職を果たせたのに、結局は仕事を辞めることになり、大変残念な思いでいたこの時期に、webで乳がん患者さんの手記を目にしました。
その中にあった
「闘病中でも自宅できるクラウドソーシングのお仕事を始めたら、社会とのつながりを感じることができ、生きる活力になった」
という部分が心に残っています。

在宅ワーカー養成プログラムのちらし発見
長野県塩尻市に暮らし始めて半年が経ち、また仕事を始められるだろうか、と考えている最中、図書館で「在宅ワーカー養成プログラム」受講者募集のちらしを見つけました。
読むうちに、在宅ワークという働き方は、私の仕事に対する悩みを解決してくれることに気が付きました。
・病気の治療中でフルタイム勤務の自信がない → 自分のペースで仕事ができる
・また引っ越しするかもしれない → どこへ行っても仕事ができる
・事務の仕事しか経験がない → 未経験でも始められる
いつか読んだ「クラウドソーシングでお仕事をして社会とつながる」というのはここから始まるのかもしれない、と思い応募してみたところ、運よく記事作成コースを受講できることになりました。
仲間との出会い
初回講座の日、クラウドソーシングという未知の世界に飛び込むようでとても緊張しました。
記事作成コースは、松本、塩尻、安曇野と各地から集まった受講者5名。
在宅ワークを目指す理由は様々ですが、一緒に勉強してゆく仲間ができて心強く感じました。週1回の講座に通うようになって、生活にメリハリが出てきました。
当たり前ですが、人それぞれに何らかの事情があり、それがたまたま私は病気だっただけ、と考えられるようになったことが大きな変化です。
毎週出される課題を、時間をやりくりして仕上げることに達成感がありました。書くことを意識すると、ものを読む視点も変わってきました。
自分らしい働き方を探して
健康上の理由などから、社会復帰をあきらめかけていた時に、勇気をもらった言葉があります。
元厚生労働事務次官 村木厚子さんのインタビュー記事で読んだものです。
『「考えても仕方がないことは考えない」 これを心がけて「今できることは何か」に集中するようにしていました。』
病気にならなければやってみようと思わなかった、在宅ワークという働き方が「今できること」だと気付き、生きる目的の1つになりました。
4か月間の講座を終えて、「在宅ワークで書くことを仕事につなげて、社会とつながる」という自分の目標が見えました。
まだようやくスタートラインに立ったばかりですが、これからも在宅ワーカーへの道のりを、一歩一歩進んでゆきたいと思います。