2018.01.19

カラダ , マンガ

私がPMDD(月経前不快気分障害)になった話

私がPMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害)の名前を知ったのは三年前。
たまたま見たテレビCMがきっかけだった。

これまで私は、ほとんどの女性は生理痛に苦しみ、生理前には情緒不安定になり、頭痛や食欲不振等の不調に悩まされ、そしてそれはみんな我慢しているものだと認識していた。
学校の保険体育の授業でも、「女性は排卵をし、妊娠しなければ生理になる。生理中の痛みを生理痛という。」くらいしか教えてもらえなかった。
一度しか見なかったこのCMが印象的で、私の生理に対する概念が大きく変わった。

PMDDの自覚症状

その数ヶ月後、私はある症状に悩まされた。

突然涙が溢れ出し、呼吸がうまくできず、頭の中では死に関することばかり考えてしまう。
子供とまともに会話もすることが出来ず、笑うことも出来なくなった。
しかししばらくすると気持ちが落ち着き、また元の生活に戻る。
必ず生理開始二週間前から起こることから、私は自分がPMDDだと確信した。

その後私は二人目を妊娠し、二人目出産して再び生理が再開すると、またあの症状と向き合うことになる。

あの時2歳だった息子も、もう4歳。

もう自分の考え持ち、周りの空気を読むようになった息子に、これ以上こんな姿を見せるわけにはいかない。
私は婦人科に行き、副作用が少なく、その日からすぐ飲めるということで漢方を処方してもらった。
だが数ヶ月漢方を飲んでも症状はよくならない。私の体にはあまり向いていなかったのだろう。
PMSやPMDDの治療法は漢方の他に低用量ピルがあるが、私はピルに偏見を抱いていた。
遊んでる女性が飲んでいるイメージが強く、実際に学生時代にやんちゃなクラスメイトが服用しているのを見たことがあり、治療薬として考えることが出来なかった。
また、排卵を抑えることによって体によくない影響がでるのではないか?という不安もあり、ピルを処方してもらうのに抵抗があった。

「月経周期や生理痛は、努力や根性でどうにもならない」

そんな私が、今は低用量ピルを飲んでいる。
元サッカー女子日本代表、澤穂希さんの影響だ。

澤さんは体調管理のため30歳の頃から低用量ピルを服用しており、試合日と重ならないように生理周期をコントロールしたり、生理による鉄分不足の防止、また、排卵日には怪我をしやすいようなので基礎体温をつけて体のメンテナンスを行っていたようだ。

「月経周期や生理痛は、努力や根性でどうにもならない」
「排卵を抑えるのは卵巣を休ませるメリットがあり、無事に出産もできた」
「ただ、人によっては不正出血などの副作用もあるので、自分の体調をみながら決めることだと思う」

私は不安から解放され、また、自分の無知さを痛感した。

私がそうだったように、ピルに対する偏見を持つ人はきっと多いと思う。
他にもPMSやPMDD、低用量ピル、妊娠中のトラブルや出産の壮絶さ、産後のホルモン変化や育児の大変さ、これらの知識を教えてくれる場が学校にもテレビにもこれまでにあっただろうか。
生理痛の軽減、月経量の減少、子宮内膜症の予防等の効果が低用量ピルにはあると、誰かが教えてくれたことがあっただろうか。
学校教育でもっと触れても良い部分なのではないだろうか?女性の私ですらそうだったのだから、男性はもっと知る機会が少ないだろう。

自分の体と向き合う

生理痛も、PMSやPMDDも、日常生活に支障が出るのであればそれは立派な治療案件だ。
自分の体と向き合うことに我慢をする必要はない。
もちろん個人差はあるので女性の中にも理解できない人はいるかもしれないが「生理は病気ではないし、女性はみんな我慢してるもの」と言って辛い思いをしている人たちを軽視をして欲しくない。
男性であれ女性であれ、理解する努力というのも必要だと私は思う。

今、ピルを飲み始めて2週間。

もう少ししたらまた婦人科に行き、診察をして大丈夫そうならまた新しいピルを処方してもらう。
一ヶ月の半分以上はPMDDの影響で辛い思いをしていたが、今月は子供たちと毎日笑顔で過ごせることを期待したいな。

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